6人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここになかったらこの城にはないでしょうね」
金色に飾られた扉の向こうに城の宝物庫がある。中は、煌びやかな外見とは違い少しほこりっぽい。
「あら、これは何かしら?」
キラキラとかすかな光が見えた
「これは…鏡ですね。」
白い花のモチーフが美しい。扉から漏れる光に反射してかすかな光を放っていた。
「この鏡は、一体…」
「これは映しの鏡ではないでしょうか。」
「うつしのかがみ?」
「はい。古代からこのリクラーンと他の世界を繋ぐとされているものです。」
家来の説明にフランは目をよりいっそう輝かせて、呟いた。
「これは興味深いものを見つけましたね。」
そう言って、フランが鏡に手を伸ばした瞬間、青白い光が部屋全体を照らし出した。
かと思うとフランはまったく知らない世界の風景の中にいた。
最初のコメントを投稿しよう!