pansy

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ぎりぎりまで膨らんだ心が ついに音を立ててはち切れた あなたとの時間は笑っていようと 目を閉じて誓ったはずなのに 考えて選んだ小さな言葉も その耳には届かないみたい 相槌ひとつ取ってみても あたしにはお見通し 絡む足で目を塞ぐ おいてけぼりの心 眠る綺麗な横顔は 鼻をつまんでも目覚めてくれない 世界がすべてを許すなら 何処へも迷わず想えるのになあ 切りそろえたうなじに 鼻を強く押し付けたい あなたが声出して笑うなら この上無く幸せなのになあ 愛しさに細めた瞳 もっとあたしに向けて.. まっすぐに続く光の中を 隣に並んで歩いた 向こうで寄り添う二人には 恋人同士に映って欲しい 困らせたくてわざと 悲しい振りをしたのに あなたは眉毛下がらせて それでも優しく微笑んだ サヨナラがやってくると どうして寂しい顔するの? 神様どうか忘れさせて 触れられた肩の熱 世界がすべてを許すなら 何処へも迷わず想えるのになあ 震えるまつげの先の方 いくつものキスを落としたい あなたが声出して笑うなら この上無く幸せなのになあ 壊れもの運ぶように そっとあたしに触れて..
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