歓迎された月曜日についての考察

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前髪の長い女の子が差し出した松葉杖を取ると、赤い髪の女の子は杖をぶんぶんと振り回して周囲の人を追いはらった。 「見世物じゃないのよ!散れ!!」 その威嚇の声は、体育館をきぃんと揺らし、バスケの試合はおずおずと再開した。 「相変わらずトゲトゲしてんなあ…」 柏木くんがぽりぽりと頭をかいた。 「あの子、いつもあんな感じなの?」 ちょっとだけ気になって、追求してみる。 「そだよー。 ツンデレからデレを引いた感じ」 「それってただの嫌な奴じゃない」 「うんうん。 だから黒木さんもそろそろデレよう? オレにだけでいいからさー」 「私をあんな人と一緒にしないでよねっ。 …ちょっと人と違うところがあるからって、あんな風に振る舞っていいとは思わないわ、私……。 あ、そろそろ授業終わるわ。さ、いこ、謳子。 柏木くんがジュースおごってくれるって」 「えええ!?」 「なによっ?文句あるの?」 「柏木くん、御馳走様でーす」 「もしかして…… オレたかられてる?」 放課後。 柏木くんが買ってくれた桃のソーダを飲みながら、わたしと素直ちゃんは下駄箱にいた。 「本当に買ってくれるとは思わなかったわ」 「柏木くん、素直ちゃんにぞっこんだから」 「謳子、ぞっこんて死語じゃない?」 「こっ、言葉は死なないよ!」 「はいはい、屁理屈屁理屈。 あら?なんだか校門の方が騒がしくない?」 「え?」 そう言われてみると、確かに校門に人垣ができている。 きゃあきゃあという女子の黄色い声に交じって、男子の黄土色の声も聞きとれる。 「なんだろうね?」 「人気者のOBかOGでも来てるんじゃないの?」 なるほど。 素直ちゃんの言葉に納得して、わたしは桃のサイダーを一口。 おいしい。 「素直ちゃん、柏木くんじゃだめなの?」 校門へ向かいながら、わたしは彼女の林檎色のほっぺを見上げて問うてみた。 素直ちゃんは、モデル並みに背が高い。
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