ド天然

5/5
前へ
/227ページ
次へ
スケートで活躍してるなんてもってのほか。俺はなんの成績も残せていない。 モテる要素などどこにあるというのだ。まったく。 「そうだな。そうかも知れないなー」 ヤマトの妄想癖には困ったものだ。 適当に会話を打ち切り弁当に箸をつけると、視界から弁当箱が消えた。 顔をあげると、弁当箱を横にかかげて満点スマイルを浮かべるヤマトが写る。なにをする。 「お客様だ」 「お客?」 顎で戸口を指すヤマト。そこには三人の女の子が立っていた。 一人は背が低いショートヘアーの女の子。 その子の後ろにいるロングヘアーの女の子と髪を一本に結っている女の子が、前の子の肩に手を置いてなにやら耳元で囁いている。 ネクタイの色が青いから一年生だろう。 後輩が俺なんかに用があるのだろうか? さっさと話を聞いたほうが良さそうだ―――
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加