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「老眼鏡してねぇとこを見ると、相当なことだったっぽいな?」
遠江先生――は、今更か。
暁兄は興味深そうに、俺の顔を覗きこんでくる。
どんぴしゃり。
相当なことですとも、ええ。
まさか、男子校にあのテの“ときめき”があったなんて予想外だ。
これでは何のためにわざわざ杜都学園を選んだのか分からない。
「ため息ついてちゃ分かんねぇぞ?ほれ、言ってみ」
不満げな表情の暁兄にせっつかれて、観念する。
「…わった」
「窓ガラスをか?なかなかやるじゃ―――」
「違うっ、俺終了のお知らせなんだってば暁兄!!」
的外れなことをいう暁兄に、思いがけず悲痛な声で叫んでしまう。
こんな場合、幼なじみとは便利である。
「!あー‥バレたんだな……」
一瞬で俺が言わんとしていることを悟ってくれた。
「まだ確定じゃない、けど。勘づかれたと…思う」
俺が杜都学園に在籍する理由。
それは…
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