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「ツッ込むとこ、そこかよ?」
「だって笛吹すっごい男前じゃん。意外だなって思って」
それもあるけど、エプロン姿が想像出来ない。
なんか笑える…ぶふっ。
「エプロンなんかしねぇけどな。つか、改めて話があるんだ……岳人様に」
…心の声が駄々漏れなのは、もうスルーの方向で。
「はぁ…様はやめろって。で、どうした?」
親衛隊が自分を特別扱いすることを岳人は嫌う。
案の定、眉間にはシワが。
そんな空気が読めてるのか否か。
「本日より、俺、笛吹 滸が貴方の親衛隊副隊長を」
執事がするような気取った会釈つきで笛吹が。
「あっ、えと…僕、遊佐 睦歩が親衛隊隊長を務めることになりましたっ!」
真っ赤な顔をしながら、珍しく声を張って遊佐がそう言った。
「副隊長になっちまったからなー。一応、報告ってことで!」
「頼りない隊長だけど、が‥頑張るからね、岳人くん」
その後、堅苦しい敬語を取って、口調を戻した笛吹と遊佐。
そんな2人に、岳人は表情を変えた。
さっきまでは少し不機嫌そうだったのが、いきなり真面目な顔になって。
急に笛吹の腕を掴んだかと思うと、彼の体をグッと自分の方へ引き寄せた。
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