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「しっかし悠司もすっかり落ちこぼれキャラ定着しちゃったよな~!去年の二学期前半の無双天才っぷりはどこに行ったのやら!まあ神津にはかなわねぇけど!!」
谷幡の一言が心に深く刺さる。彼のが誰かの地雷を踏む頻度は二日に一回のハイペースで行われている。そのためこんなにショタヅラでも全くモテない。
「無双や天才といえば、あの事件、ついに20人いったらしいね。ニュース見たかな?」
神津がメガネをクイっと上げる。
「あ~、見た見た!アレどうして犯人見つからないんだろうな?チートかな?」
「「どんなだよ。」」谷幡の言葉に神津と揃えてツッコむ。
「いや~、マジコンとかコードとか…とりあえずなんでもアリの力。」
本当にコイツはゲーム厨である。あまり人のこと言えないけど…(チートなんてものは高校生である俺達の美学に反するッ!俺はコツコツレベル上げしてるもん!)
「なんでもアリ、ねぇ…すべて都内で行われてるのに目撃情報が全く無いのが不思議だよね。地方の寒村とかならわかるけど。」
神津も珍しく笑わずに考えてる。
最近世間を騒がせる連続通り魔事件。
都内で20日連続にして23区それぞれで通り魔が起きている。
…それでいて犯人がまだ捕まらないという…なんとも物騒な話だ。
被害者の死亡推定時刻はすべて深夜の午前二時。手段はロープ、拳銃とバラバラだが必ず『三発』殺傷痕がある。
「犯人はまず同一人物の愉快犯。あと3日で事件の起きてない3区で事件が起こるだろうね。手段は…そろそろ無難に果物ナイフとか来そうだけど。」自分の推理を話し出す神津。
「なんの根拠があんだよ神津。人なんて案外簡単に死んじゃうんだぞ?射殺もあったんだから今度は薬物殺害だって!」
「3つの傷跡はどうやって残すの?」
「ぐっ…注射で三発とか!」
三人全員都内に住んでいるが、2人とも夜遊びしない優等生(谷幡が優等生に当てはまるかは微妙だが)あたかも関係なく喋っている。まあ俺も夜遊びなんてしないけど。
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