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ふと、空を見上げる。
天気は快晴、だけどまだ少し肌寒い。
「遅刻、したの?」
ふと後ろから誰かから
声をかけられた。
俺は少しビクッとなりながらも後ろを振り返る。
驚くのは当たり前だ、気配がなかったのに、人に話しかけられれば驚くにきまってる。
俺に声をかけたのは少年だった。
俺と同じ制服を着た…真新しい制服だから、おそらく新入生だろう。
少し茶色のふわふわパーマな髪。
すらっとして、背の高い少年。
何故か俺を見ながら、彼はニコニコしていた。
「キミも遅刻したの?」
俺は彼の様子を伺いながら、そう尋ねた。
そんな俺に彼はニコニコしながらも、首を横に振った。
「違うよ、俺は入学式に出ないの。」
「……っえ」
俺の口から声が漏れた。
普通、新入生は入学式に出るものではないだろうか。
彼にも俺が思っていることが伝わったようで、彼は言葉を続けた。
「俺はね、未来から着たの。だから一度入学式には出てるから、いいんだ」
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