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この季節が近付くと、街のいたる所にきらびやかなイルミネーションが飾られる。
その光が創り出す世界に人々は感嘆の声を漏らし酔いしれる。
あらゆる店にケーキやチキンが並び、それもまた"クリスマス"の到来を示すのだ。
街行く者は家族や恋人と過ごすその日を思い浮かべ胸を膨らませる。
ある者は大切な人に贈る贈り物をショーウィンドウ越しに真剣に悩み、
ある者はケーキを片手に家路を急ぐ。
それぞれが笑顔で思い思いの時を過ごす中、ある2人は違った。
一切笑顔を浮かべず、聖なるクリスマスの夜に己の任務に徹する2人がそこにいたのだ。
その形相はクリスマスに似つかわしくない、末恐ろしいものである。
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