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バタン…。
プレゼント片手に助手席に乗り込む黒須。
夫婦が家に入ったのを確認してから実君のプレゼント奪還に向かっていたのだ。
『朝見てたのは稔ちゃんのこと書かれたファイルか。
お前にしては良くやったじゃないか。』
運転席でタバコを吸っていた田中井が声をかける。
「まぁな。昨日家に大人が一人もいないのが気になってな。
朝調べてみたら両親が単身赴任って書いてあったからもしかしたらと思ったんだ。」
ふぅと息をつき頭の帽子を取る。
『なるほどな。けど免停中に無理やり免許の効力使って空飛んだんだから後でお咎め来るかもしれないぞ。』
「その時はその時だ。大体子供の夢叶えられなくてサンタが務まるか。」
確かに。と返事をしながらエンジンをかける。
『それじゃ、実君の所に…』
実君の所に行くか。田中井がそう言いかけた瞬間だった。
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