刺繍

1/1
前へ
/11ページ
次へ

刺繍

言葉に仕組まれた無数の針が 胸に縫いつけた太糸の 描くあなたは脈打ちながら いつまでも 私をしめつける 押しよせる罪悪感に いつか飲まれて狂うんだろう 夢でも許されないのなら せめて 朝を見せないで 糸の間で口を開ける 肉の輝き てらてらと あなたにしかわからない理屈で 雑な縫合は 繰り返されてく 遠い水音 ひたひたと あなたにも 聞こえるかしら .
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加