救済

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救済

今 この魂を投げ出したとしても 君が戻るわけでもなく 知ってる? 情熱っていうのは勢うほど すぐに燃え尽きてしまうもの 昨日交わした約束は もうゴミ箱に埋(うず)もれている 激しく逆巻(さかま)いていた寂しさは しゃがれた鷺(さぎ)の叫びで 消しとんでしまった 思い返せば 初めて出会った瞬間から 君は過去の存在だった 時の流れを背景にして ぼんやりと浮かんでいた お互いに勘づいていたでしょう この関係の脆弱性(ぜいじゃくせい) アテが外れて悔しいですか 君の思惑(おもわく)はわかりやすすぎて 汚い大人の駆け引きってやつさ 自分の身は自分で守らなきゃ 誰が守ってくれるというの? でも あのとき囁(ささや)いてた言葉は本物だった 例え刹那(せつな)でも 愛と呼んでいいと思うよ 下らないプライドを捨てて 宵(よい)に傾き始めた月に 祈りを捧げるといい
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