プロローグ

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ふむ? 違ったか? まあ、どちらでも良いか。 今から語る物語には、何の影響も無いのだから。 「……アンタって、地味に頭悪いわよね」 主は失礼だな……我にとって、三桁代の足し算引き算は昼飯前だぞ? 「……もういいわ。さっさと話しちゃって。私、昨日は徹夜してたから眠いし」 主の対応が淡白に!? ……そこはかとない不満は残るが、長々と傍観者を待たせるのも悪いか。 「傍観者? アンタ、さっきから何言ってんのよ?」 いや、気にするでない。 このセカイに干渉出来るのは、主以外にもいるという事だ。 「……本格的に解らないんだけど?」 平たく言えば、この家は第三者に覗かれているという事だな。 「ストーカー!? え、やだ、怖いんだけど!?」 ククク……、相変わらずな反応、流石は主だ。 待たせたな、傍観者。 とりあえず唄乃は放っておいて、さっそく語らせてもらおうか。 我が記録した数多の同胞の記憶を、今、呼び起こそう。 さて、傍観者はどの物語を気に入るのかな? 様々な物語を、是非とも堪能したまえ。 『――今開かれるは、吸血鬼のセカイ――』
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