プロローグ

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そこの傍観者よ。 はじめまして、かな? 我は祖なる吸血鬼、レヴィ・スカーレッド。 この物語の語り部を勤める存在だ。 「ねぇレヴィ、アンタと誰と話してんのよ?」 はぁ……。 唄乃(うたの)……主には羞恥心という物が無いのか? 「羞恥心? アンタ、何言ってんのよ?」 遠回しに。寝間着姿で我の前に来るなと言っているのだ。 「細かいヤツねー。この家はアンタと私の二人きりなんだから、別にいいじゃない」 ……主は我を誘っているのか? 「へ……? あ、ああ、いや、ちょっ、アンタ、私の事――!?」 少しからかっただけでこの反応とは。 ククク……、これだから主の側にいるのは辞められんな。 「なっ!? あ、アンタ、私をからかって――」 まあ、そう怒るでない。 主は我に訊きたい事があったのではないか? 「別にそこまで知りたい訳じゃ……」 そう照れるな。 聞くは一時の辱、聞かぬは一生の負け組、とよく言うだろう? 「言わないわよ! 何よ負け組って!?」
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