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 こんな失礼な奴に本当の『友達』ができるだろうか。自分の今の状況を見てみろ。自然と一人になってしまっているだろう。どんなにその時その時に『友達』、『仲間』と思っていようが思われていようが、この結果がすべてを物語っていた。 僕の部屋に集まっていた人は危うい人間もいたが無事卒業していき、何もこなしていない自分は留年を重ね一人でいる。周りに取り残された思いと共に。  ――これは報いだ――  大学に入ってからの人間関係に限らず、きっと自分は昔からそんな失礼な態度をとってきたのだろう。地元の友達もきっと僕の知らない間に新しいコミュニティーを気付き、そして結婚して……。正月なんかには久々に集まって居酒屋辺りで昔話を楽しんでいるはずだ。僕の知らない間に……。僕は彼らの友達の輪に入っていなかったか……。  例えば、僕は携帯電話のアドレスを変えるのが恐い。昔の知り合いから連絡が来なくなってしまうのではないのだろうか。結果、何一つ連絡の無い事実に目を背けながらも、高校時代から変えてはいない。それでも送られてくるのはスパムメールだけ。
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