1(語り)

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 どんな事象においてもルールは必ず存在する。スポーツしかり、社会生活でもそうだ。決まり、法律、戒律、道徳、その様なしがらみ。  ここで語るべきはこれらの様なわかりきった事ではない。人が創造せしもの、芸術作品についてのルールである。  数え上げたらきりはないが、絵画、映画、踊りに漫画やアニメ。音楽にゲームなどに、そして小説。  つまりは、そこに『物語』があるもの。誕生とともに物語という宿命を背負ってしまうものについての話である。  「○○をしろ」 だとか、  「○○色を使え」  「見るものを意識しろ」  「自己満足で留まるな」  なんて野暮な事は言わない。  ただ、僕が言いたい事は一つ。  『終わらせろ』  只それだけ。  作品は発生と共に、物語であるというルールに無条件に乗せられる。抽象的だろうと何であろうと。  作品には意味が施され、その世界の中で彼らは、時に苦悩葛藤し、時に夢を見て行動を起こす。それが終わりという形を迎えて報われるわけである。バッドエンドだろうがハッピーエンドだろうが、閉じられる事によって彼らの世界は成立する。  しかし、どうだろうか。途中で投げ出されてしまったら、彼らは閉じられない世界を永久にループする事となる。存在しない終わりを求めて。  多くの魂は無駄に地獄を見ている。  彼らに救いを。  一つの世界を創った以上、責任を取れ。
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