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「私嫌だよ?痴女と同じ自警団なんて」
「だから違うって言ってるでしょっ!!」
まるで呼吸するかのようなペースでトラストをからかうミスティンに対し、トラストは必死に抵抗していた。
「…でも、どんな所だろうね、エトゥイア学園って」
「さあ、良いところだとは思うけど」
トラスト達は一見すると普通の少女だが、実はこの二人、自警団育成学院【エトゥイア学園】に推薦されて、晴れて今年からこの学園の生徒なのだ。
全国各地に設立された自警団育成学院、その一つであるエトゥイア学園から推薦されるのはとても名誉な事なのだが、しかしどう見ても二人は普通の少女だ。
「てか、私は優秀だから当たり前だとして、なんでトラストも推薦されたんだろうね?」
「どっからその自信が湧くの!?国が誇る自警団養成学園だよ!?……でもまぁ…それがわかんないんだよなぁ~」
なんと本人にも、推薦が来た事に心当たりが無いらしく、頭を悩ませていたようだ。
ふと、トラストが何かを思い付いた様に顔を上げてミスティンに言った。
「…あ、もしかしてボクの才能を見抜いてたん……」
「それは無い」
「即答しないでよ!?せめて最後まで言わせてよ!!」
もはや当然のごとくミスティンがトラストをからかっていると、前方に優雅な校門が見えてきた。どうやらそれはエトゥイア学園の物のようだ。トラスト達と同じ制服の人間が大勢通っている。
「ほら、見えてきたよ。騒いでないで早く行くよ」
「ミスティンの所為でしょ!」
トラストはミスティンに弄られながら、足早に校門に向かうミスティンを急いで追いかけた。
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