序章・一話【え、やだ。私百合はちょっと……】

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「うわぁ…!」  桜、桜、桜。  校門を過ぎると、一面桜だった。  季節は春、とても長い桜並木が続いており、辺り一面に桜の花びらが舞っていた。 「すっごぉーい!!見て見てミスティン、桜だよ!桜並木だよ!」 「トラストうるさい」 「酷っ!!」 「桜くらいではしゃいで、子供みたいだよ?」 「ふんだ、良いもん子供だもん。」  ミスティンに子供と指摘されたトラストだが、トラストは開き直りむくれている。だが16にもなってまだ子供だもんと言うのはいかがなものか。 「その内桜なんて見飽きるか、その前に散るかだけだもの」 「そんなもんかなぁ~…」  二人はそういった感じで語り合いながら歩いていた。  
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