命の名

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「そう・・・ソフィアが・・・。」 「アリバイがあって今まだ捜査中ですのでまだ何とも言えないのですが・・・。」 「もし彼女が犯人だとしたらショックだわ・・・。兄上も私も、彼女には良くしてもらっていたから・・・。」 「私も、できれば違って欲しいと思うのですが・・・。まず真実を暴くしかありません。」 「そうね・・・。怪文書の差出人は彼女だったのかしら。それとも、彼女ではない人物かしら・・・。もし彼女だとしたら、何故・・・。」 「差出人は、セヴィーラ様が国王になる事に反対している人物という事ですね。もしそれがソフィア殿なら、彼女はセヴィーラ様反対派という事になりますね。」 ジル隊長の言葉に、シルビアは考え込んだ。 「・・・お兄様の反対派と聞いて、お母様の事が浮かんだわ。」 「・・・セシリア様でございますか?」 「私が大きくなってから・・・3年前くらいかしら、私が15歳の時ね。お父様からお母様の死の真相を聞いたの。きちんと話しておきたいからって。お父様は私に深く謝罪したわ。だけど、その時の私はすごくショックで、心に衝撃を受けた。お父様を憎いとさえ思った。その気持ちは今もゼロではないけど、前よりは立ち直ったわ。お母様はどんなにお辛いお気持ちでいた事でしょう。きっと、自然とお父様とお兄様の事を良く思っていなかったわ。そんなお母様の気持ちに同調する人物がいるという事かもしれない。昔、お母様がこの国に嫁いでいらした時、共に付いて来て今もこの城内で働いている人物がいたと耳にした事があった。だから、お母様が嫁いでいらした辺りの事を調べれば、何か分かるかもしれないわ。」
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