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ジラクの部屋へ戻るまで再び彼は布を身に纏い、その姿を他の家来に見られないようにして護衛隊に囲まれながら戻った。
「・・・4人共、ありがとう。今日は、しばらく一人でいたい・・・。何かあった時には呼ぶから、それまでは下がっていてくれ・・・。」
「・・・かしこまりました。」
彼は憔悴したように言い、護衛隊は心配になったが言われた通りにした。彼に掛ける言葉も見つかなかった。下手に何かしら言っても単なる気休めにしかならない事は4人とも分かっていた。
部屋の中に消えて行く痛々しい後ろ姿を、4人はその姿が見えなくなるまでただ見つめるしかなかった―。
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