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そして、産まれた子供は彼女の望み通り王子であった。
出産直後、国王と部屋に二人きりになった時、意気込んで国王に王位継承者はこの子だと訴えた妃だが、国王の答えは彼女にとって残酷な物だった。
「確かに、正当な王位継承者は、国王と妃の血を引くこの子である。しかし、今、皆の者はセヴィーラ王子を王位継承者として崇める事に一致している。ここで、王位継承者を変更となれば、セヴィーラ王子派と弟派で対立が起こる。国を治めるにはまず城内が一丸となって団結しなければならない。周りの大人達が対立すれば、セヴィーラもこの子も傷付く。だから、この子は・・・王女として育てるのだ。皆には産まれたのは王女だという事にするのだ。」
妃は耳を疑った。
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