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「今・・・何と?」
「この子は、王女として育てる。出産に立ち会った者には私から口止めをしておく。」
「・・・あなたはっ・・・!!」
妃の目からは悔し涙が溢れ出す。
「よくもそのような事を・・・!!妾に産ませた子を恥ずかしげも無く王位継承者にするばかりか、正当な王位継承者であるこの子を女として育てろですって!?」
「そなたの気持ちはよく分かる。私は、そなたにもこの子にも、本当に申し訳なく思っている。」
「それならば、正当な国王と妃の血を引くこの子が、王位継承者となるのが筋ではありませんか!」
妃は興奮して声を荒げた。
「落ち着け。声が大きい。他の者に聞かれでもしたら・・・」
「恥ずかしいと!?正当な王位継承者であるこの子が恥ずかしいと!?」
妃は自分の感情をコントロールできなくなっていた。
「何もそのような事を言ってはおらんだろう。そなたの気持ちは分かる。しかし、国の母として考えてはくれぬか。国民の為に平和な国を築く為、城内が一致団結する事が大事だと、責任感のあるそなたの事だ。よく分かっているだろう。・・・まず、今日はゆっくり休むがよい。」
そう言って、国王は部屋を出て行った。
妃はただ茫然としていた。
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