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夜半過ぎ、国王が特に信頼を寄せている側近の家来が、城内を見回りしていた所、妃と赤ん坊のいる部屋から激しく赤ん坊の鳴き声が聞こえていた。
彼は心配になって部屋のドアをノックした。
「お妃様、大丈夫でございますか?」
恐る恐るドアノブに手を掛けると、鍵はかかっていなかった。
「失礼致します。」
そっと部屋の中へ入ると、彼は思わぬ光景を目にした。
「!!!お妃様!?」
妃が床に倒れており、その手元には薬の小瓶が転がり、中の錠剤もいくつか床に散らばっていた。ベッドの傍らにあるゆりかごの中では赤ん坊が激しく泣いている。
自害を図った光景だと理解するのに時間はかからなかった。
彼はすぐさま国王の部屋に駆けつけた。すぐに医者をと思ったが、産まれた子供の事情を国王に一番近い側近故知っていた彼は、まず先に国王に知らせに向かった。
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