王女となった王子

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国王は妃の部屋に行き、床に倒れていた妃をベッドに寝かせ、散らばっていた薬の錠剤を小瓶に戻し、小瓶を薬の入っている引き出しにしまった。 妃が服用した薬は睡眠薬で、以前不眠に悩まされていた妃が常備していた物だった。今回、それを多量に摂取したものと思われた。 「セシリア・・・私は本当にお前に酷い事をした。許してくれと言っても許してはもらえないだろう・・・。」 国王は涙を流し、セシリアの手を握った。まだほのかに温かかった。 「私は・・・この国の平和の為、城内の平和の為、邪悪な王となる。許してくれ・・・。」 国王は妃に語りかけるように言った。そして、ベッドの傍らのゆりかごで泣いている王子を抱き上げた。あやすようにすると、泣き止んだ。それを見て、国王は胸が締め付けられる思いだった。 「そなたにも私は酷い事をさせる。邪悪な父を許してくれ・・・。」 国王は懺悔するように息子に向かって語りかけた。
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