行けなかったあの場所へ

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  「今年のウチは強いよ? 今年はキミのチームと日本シリーズで戦うこともあるんじゃないかな?」 今年の初め。 久しぶりに会ったアイツと、そんな話をしていた。 何の気なしに、俺は、 「じゃあいよいよ俺は、君を甲子園へ連れて行くことが出来るわけだ?」 と言って笑った。 アイツは一瞬キョトンとしたあと、 「・・・・・・そっか! そう言うことになるよね!!」 と言って、顔をくしゃくしゃにして笑った。 ――それが、俺の見たアイツの、最後の笑顔だった。
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