プロローグ

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 彼女はカフェオレを一口飲むと薄いピンク色のマグカップをテーブルの上に置いた。 そしてゆっくりと目を閉じて思い出す。自分の存在の意味を見いだせず、ただ誰かに依存することで自分を繋ぎ止めていたあの頃の自分と、どこまでも優しく自分を支えてくれていた一人の男性を。 「行こう」 彼女は立ち上がる。あの頃の自分になかった自信と勇気を抱え、過去の自分と決別するために。
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