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「……ここね」
体力ギリギリ状態で町外れのやたら大きい校門の前で息を整えていた。正直私は運動神経が無い。既に閉まっている校門と汗でベタベタになったニット帽がその運動神経の無さを物語っていた。
その時。
「制、裁!!」
「うわっ!?」
突如誰かが空から落ちてきた。私は何とか回避。その人は見事な身のこなしで着地した。
「遅刻なんざ許されるもんじゃねえぞ!しかも避けるなんて……。そんな貴様には制裁を下す!」
「え?えっ?」
見た感じ男性だ。右手には蒼く輝く剣、頭には白い犬が乗っている。
「セイサイヲクダス!」
しかも喋った。
「ちょっ、な……?」
突然すぎる出来事にパニックになる私。制裁とか言ってるけど、一体誰なんだろう。
「………まあいい。外に立たせるわけにいかないから特別に許してやる。特別に、だからな」
「あ……ど、どうも……」
男が校門を開けてくれた。私は自分でもわからない表情をしながら逃げるように敷地内へと入っていった。
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