―喰らう者―

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今は午前7時20分…窓を開けて辺りを見回す。 そろそろ朝礼かな…なんて思っていたら僕の部屋のドアが開いた。 ?「おいオウガ、そろそろ朝礼が始まるぞ。」 オウガ「…わかってるよ。」 今日もいつもと変わらない朝が来た。 そう、いつもと『変わらない』。…なんて思ってたら、涙が出てきた。 ?「おいオウガ…お前、泣いてんのか?」 オウガ「泣いてなんか、ない。」 兄さんと別れて三年。兄さんは……まだ、行方不明。 ?「嘘だろ。涙目だし。」 そうそう、毎朝僕の部屋に来ては執拗に絡んで来るコイツは親友の『キリク』。 オウガ「しつこいな…ていうか、そろそろ朝礼だね。行こうか。」 とにかくこれ以上つっこまれないうちに、話しを逸らす。
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