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キリク「俺らが自警団に入って二年か…早いな。」
そう、僕とキリクは二年前に自警団に入団した。…称号はまだ訓練生だけど。
オウガ「………行こうか。」
そろそろ行かないとほんとに朝礼に遅れるから、少し脅し気味に言う。
キリク「分かったって。怒るなよ。」
苦笑いしながら少し早足で歩き出すキリク。僕も後を追う。
ふと、キリクが思い出したように話し出した。
キリク「なあオウガ、知ってるか?この街から少し離れた場所に、古城があるだろ?そこにはな…」
どうせ、噂好きのキリクの事だ。ただの都市伝説かなんかだろうと思い、無視しようとしたが次の言葉を聞いて、僕は硬直する。…まあすぐに歩き出したけど。
キリク「漆黒の獣が住んで居るんだと。しかも、瞳の色は見た者を魅力するほどに綺麗な紅なんだってよ。」
オウガ「漆黒の…獣?」
キリク「その獣に会って帰って来た者は居ないんだってよ。」
……あれ?矛盾がある気がする。
キリク「何故、出会って帰った者は居ないのに紅の瞳の漆黒の獣が居るか分かっているか。それは…」
キリクが立ち止まる。僕も立ち止まる。
オウガ「それは?」
キリク「謎。」
聞いて損した。ちょっとイラっとしたのでさっさと歩いて行く。
キリクが慌てて追いかけて来た。
キリク「ちょっと待ってくれよ。」
無視無視…と思いながら歩きつづけていたら、いつの間にか朝礼場所の訓練場についていた。キリクは…しっかりついてきてた。
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