―喰らう者―

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キリク「に、しても…紅い目の漆黒の獣か…」 いきなりキリクがあの話しを始めた。 あんまり聞きたく無いんだけどな… だって…… ――兄さんを思い出すから。 キリク「なあ、紅い目の漆黒の獣について、何か知らないか?」 オウガ「…はぁ?」 ありえない。噂はさっき聞いたばかりで何も知らない。そんなこと、キリクだって分かっているはず。…つい間抜けな声を出してしまった。 キリク「だってお前、さっきからその獣の話しを俺がする度に表情が変わるんだもん。」 オウガ「…表情なんか変えて無いよ。」 キリク「……ついでにさっきは哀しそうな顔してた。」 ――こいつ…わざと話してるな。 イラっと来た。ああ、今日はやけにイライラするな… どうしてだろう?
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