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?「ねぇ、起きて。起きてよ。」
何者かの声で、意識が戻ってきた。
?「起きてってば!」
ぺしぺしと頭を叩かれ、ふと、目を開く。
?「よかった。死んでるかと思ったよ…」
俺が見たものは、灰色の狼の子供だった。
?「僕はウル。貴方の名前は?」
ああ、うぜえ。ふい、と横を向いたらウルは移動してきて、また聞いてきた。
ウル「ねぇ、名前くらい教えてよ。」
仕方ないから答えてやる。
「俺はトライドだ。もう良いだろ黙ってろ。」
しかし、怯えたウルは泣き出してしまった。
ウル「いいじゃんお話しようよ…」
うぜえ。
ウル「あ!おじさん、怪我してるの?」
気づいてなかったのか…あの傷は今だに血が止まらない…つか、
「俺はおじさんじゃねぇ」
低い声で言ってやる。
ウル「じゃあ、お兄さん?」
首を傾げて聞いてきたな。いい加減、疲れてくる。
怪我してんだよ、いい加減黙れ。
と、言いたいが…泣くだろうから止めた。
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