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ウル「ねぇ、お兄さんはなんで此処に居るの?」
聞きながら、いきなり俺の傷を舐め始めた。…くすぐってぇ。
ウル「お兄さん、綺麗な毛並みだね…うぎゅ。」
うぎゅ。ってのは俺が頭を手で押したからだな。
「自分の傷は自分で舐める。」
いつまでも舐められるのもなんか嫌だ。それだけ言って、俺は自分で傷を舐める。ウルは、俺から少し離れた場所にちょこんと座った。
ウル「で、どうして此処に居るの?」
「連れ去られた。傷のせいで弱っていたから逃げれなかった。…お前は?」
ウル「父さんがモンスターに殺されて、森をさ迷っていたらいきなり袋に入れられた。」
「そうか…いきなり袋に入れられたか。怖かったろうな…」
俺は少し、邪険にしたことを後悔した。
ウル「うん、怖かった。袋から出されたら、お兄さんが居たから…つい、話しかけたの。」
「そうか……。…悪い、少し寝かせてくれ…疲れた。」
ウル「あ、ゴメン。ねぇ、くっついて良い?僕も一緒に寝たい。」
「…仕方ないな。ほら、来いよ。」
そうして、俺はウルとくっついて寝た。
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