―喰らう者の話し―

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朝になった。 生きてた。 死ぬと思っていたが、生きていた。大切な事だから二回言う。 朝まで生きていたら研究材料…って言ってたくせに、誰も来ねぇ。 傷は少し痛むが血も止まり、体力もそれなりに回復した。 ウル「…むにゃむにゃ……」 ウルはまだ寝ている。よっぽど疲れていたんだろうな…。 しばらく眺めていたら、起きた。 ウル「うーん…あ、おはようお兄さん。」 「おう。おはよう。」 そう言って、俺はウルに笑いかけてやった。 ウル「………」 あ、黙った。 「おい、なんで黙る。」 ウル「…カッコイイから、つい見とれちゃって…」 「は?」 あ~…なるほど。 ウル「じゃないや。お兄さん、よく生きてられたね。」 「そりゃな。大切な約束があるんだ。」 夢で、大切な弟が出てきた。忘れていた約束を思い出した。 ウル「へぇ…誰と約束したの?」 「弟だよ。早く、此処から出て…会いに行かないといけない。」 ウル「でも、いくら怪我が少し良くなったって…出て行くのは無理だよ…」
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