20人が本棚に入れています
本棚に追加
朝になった。
生きてた。
死ぬと思っていたが、生きていた。大切な事だから二回言う。
朝まで生きていたら研究材料…って言ってたくせに、誰も来ねぇ。
傷は少し痛むが血も止まり、体力もそれなりに回復した。
ウル「…むにゃむにゃ……」
ウルはまだ寝ている。よっぽど疲れていたんだろうな…。
しばらく眺めていたら、起きた。
ウル「うーん…あ、おはようお兄さん。」
「おう。おはよう。」
そう言って、俺はウルに笑いかけてやった。
ウル「………」
あ、黙った。
「おい、なんで黙る。」
ウル「…カッコイイから、つい見とれちゃって…」
「は?」
あ~…なるほど。
ウル「じゃないや。お兄さん、よく生きてられたね。」
「そりゃな。大切な約束があるんだ。」
夢で、大切な弟が出てきた。忘れていた約束を思い出した。
ウル「へぇ…誰と約束したの?」
「弟だよ。早く、此処から出て…会いに行かないといけない。」
ウル「でも、いくら怪我が少し良くなったって…出て行くのは無理だよ…」
最初のコメントを投稿しよう!