―喰らう者の話し―

7/18
前へ
/88ページ
次へ
「いいや、絶対に出て行って…会うんだ。たった一人の大切な奴なんだ。」 ウル「お兄さんは良いね…大切な人が居て…」 「お前は兄弟とか居ないのか?」 ウル「居たよ。でも皆、僕を置いてどこかに行っちゃった…」 「置いてかれたのか?」 ウル「わからない…」 あ~…泣き出した…。悪い事聞いちまったな… 「ほら、泣くなよ。男の子だろ。」 涙を舐め取ってやる。しょっぱい… ウル「…ねえ、兄ちゃんって呼んで良い?」 「…仕方ないな。」 あ~…俺らしくねぇ… でも…ま、良いか。 に、してもだな……暇なんだな、これが。 誰も来ねえからな…来たら来たで困るが。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加