―喰らう者の話し―

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とりあえず脱出しないとと思い、檻の棒を爪で引っ掻いてみる。 ――ギャリッ。 お、なんか良い感じ。音はあまり好きじゃないが…。何回か繰り返していたら、棒の切断に成功した。 だが、ここで問題が起きた。 ウル「兄ちゃん…」 心配そうなウルの声に気づき、ふとウルが見ていた扉の方をみる。 ――人間がいた。 人1『驚いたな…生きているなんて……』 人2『しかも、脱出もできそうなくらいまで回復してるな…。』 人1『早速、研究に使うか。』 そう言って、二人は麻酔銃で俺を狙ってきた。 まあ、避けるけどな…普通に。当たれば痛いのは確かだし、実験なんかに使われてたまるかってんだ。 ひょいひょいと麻酔弾を避ける。避ける。避ける… 人1『くそ!当たらねぇ!!』 人2『じゃあよぉ…子供の方を実験に使うか。』 人1『そうだな。』 人間はウルを実験に使うとか言い出しやがった…。ウルは人間の言葉はわからないらしい…首を傾げてちょこんと座っている。こいつを人間共の勝手な実験に使わせてたまるかよ! にしても…銃口を向けられてるのにウルはのんきなもんだ… 「ウル!避けろ!!」 ウル「え?何お兄ちゃん?」
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