―喰らう者の話し―

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血の味…人の味……全て思い出した。 …研究の材料にされ、俺は最強の力を持つドラゴンのしかも最高位のドラゴン…皇帝竜の核を埋められた。そして、回復力を上げるためにヴァンパイアの血を入れられた。他にも様々な生き物と合成された。…もう獣人とは言い切れない……合成獣(キメラ)、かな。 しかし、半ヴァンパイアになってもドラゴンの核による負担は大きすぎて…俺は瀕死の状態に陥った。 その時、声が聞こえたんだ。 『全テヲ俺ニ任セロ。委ネロ。サア、早ク!!』 瀕死で、判断力が落ちていた俺は…身を任せてしまった。 そして――― 俺はその部屋にいた研究員を喰った。 しまった――そう気づいた時にはもう……研究室は血で赤く染まっていた。 俺は今更あの声の正体に気づいた。 数ヶ月前に聞こえた声だったんだ。しばらくは聞こえなかったから安心してたのに……半ヴァンパイアになったせいで再びそいつは俺に話し掛けてきたのだろう。 そして…こいつは、もう一人の意思は最強で最凶の存在、喰らう者だろう。 人を喰って…満腹になったから、この惨状を俺に見せるために俺に意思を戻したのだろう…。 しかし…俺は一体どうすれば良いんだ? このままではいつかまた喰らう者が出てきてしまう。
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