―迫る決断の時、訪れる崩壊―

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イーター「まあ、俺はトライドのもう一つの意思…お前のお兄さんさ。」 クククと笑うイーター…僕は、悲しくなった。 喰らう者に身体を乗っ取られた獣人は、存在していないということに等しい。 オウガ「お前は僕の兄さんなんかじゃない!!僕の兄さんは人を喰うなんてしない!!」 イーター「…正確にはもう一人の兄、かな。まあ、どっちみちお前の兄の自我は存在しないに等しい。」 そう言ってハハハハ、と笑う。 うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいウルサイ! お前なんか、死んでしまえ!! 怒りに任せ、狼に変身して噛み付く。 イーター「ハッ!馬鹿が。お前のそんな牙じゃ、俺に傷一つ付けられねーよ!!」 次の瞬間、僕はドラゴンの尻尾に叩き落とされた。息が一瞬出来なくなる。 オウガ「ガハッ……ハァ、ハァッ……お前なんか兄さんには絶対敵わない…」 立ち上がり、睨みつける。怒りは、もう失せたけど睨まずには居られなかった。 イーター「兄さんには敵わない?何言ってんだよ。お前の兄さんは、俺に負けて乗っ取られたんだぜ?俺はお前の兄より強いんだよ!」 そう言って、喰おうと口を開けて迫ってきた。
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