―迫る決断の時、訪れる崩壊―

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キリク「え?嘘っ!!」 キリク…君は一体、何度『嘘』と叫んだら気が済むんだい? 不意の軽い衝撃に驚くが、どうやら地面に降ろされたようだ。 キリク「そういえば…班のみんなはどうしてるんだ?」 オウガ「知らない。ていうか…」 「さっさと帰らなくて良いのか?」 不意に聞こえたイーターとは違う、慈愛に満ちた懐かしい声… オウガ「兄さん?!」 振り向くと、人型の兄さんがいた。 トライド「おう、オウガ…いろいろと成長したな……それに比べ、俺は…」 拳をにぎりしめる兄さん… オウガ「…兄さんは悪くないよ…」 トライド「……っ…」 急に、兄さんが顔をしかめた。 ハッとして見ると、心臓の近くに深い刺し傷があり…血がダラダラと流れていた。もし、あの時剣が心臓に刺さっていたら…兄さんは戻って来なかったかも知れない…。 オウガ「兄さん…ゴメン…僕……」 トライド「大丈…夫……このくらいじゃ……死なない…さ……」 そう言って兄さんは、気絶した。 キリク「…オウガ?この人は?」 オウガ「僕の兄さん。でも…早く手当しないと死んじゃう!!」 キリク「…大丈夫そうだぞ?」 よく見ると既に血が止まりかけていた。そういえばイーターが言ってたな…回復力が上がってるって……。 こんな所に居続けるのもどうかと思ったから、二人で兄さんを自警団の本拠地まで運んだ。 僕の部屋のベッドで眠る兄さんは、とても安らかな顔をしていた。
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