―凍える風、雪原の主フロストドラゴン―

2/19
前へ
/88ページ
次へ
オウガSide トライド「…カーテン閉めてくれ……」 辛そうに言う兄さん。 オウガ「なんで?」 カーテンを閉めながら聞く。 トライド「長く日に当たると火傷するから…」 曇った表情で言う兄さん。 オウガ「……分かった。」 あまり良くない事を聞いてしまったようだ。ちょっとした罪悪感にかられる。 トライド「そんなしょんぼりするなって。お前は悪い事なんてしてないんだからよ。」 兄さんはそう言って、僕の頭を撫でた。 気持ち良くて、しばらくそのまま撫でてもらっていた。 が、 『緊急連絡!緊急連絡!!雪原にモンスターを確認、この街に向かっている模様。休暇中の方々は至急、雪原に向かってください!繰り返します、休憩中の方々は……』 オウガ「ゴメン、僕、行かなくちゃ。休憩中の人以外、今行ける人が居ないから……」 トライド「分かった。気をつけてな。」 ぽんぽん、と僕の頭を軽く叩きながら兄さんは言った。 オウガ「じゃ、また後で!」 僕は、元気よく雪原に向かった。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加