―凍える風、雪原の主フロストドラゴン―

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『グルルゥ…』 呪文から逃れた二匹が僕の逃げ場を奪う。 斜め左後ろにいるフロストドラゴンが、ほかの二匹より大きく、威圧感がある。 きっと、長い間この雪原で過ごして居たのだろう。 『グルルアァァッ!』 最初に攻撃してきたのは、ファイアーで傷ついたフロストドラゴンだった。 やはりドラゴン系に魔法はあまり効かないようだ。 ひょいと噛み付きを躱す。 念のために携帯しているナイフを使おうかと思ったが、無意味だろう。 ドラゴンの堅い鱗に弾かれてしまう。 オウガ「やっぱり剣持ってくればよかったな…」 仕方ないからファイアー系の呪文を主体に攻撃していく。 『ギャウアァッ!』 『ガルルアァッ!!』 二匹のフロストドラゴンを倒したが、1番大きいフロストドラゴンには、どうしても呪文が効かない。 僕が想像していた以上に長く生きていたようだ… 長命竜(アルター)―― 何百年も生きてきたドラゴンは長命竜(アルター)と呼ばれ、魔法が一切効かない。 近くには誰も居ない、逃げなければ…と本能が告げる。 僕は本能に従い、狼に変身すると一目散に逃げ出した。
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