20人が本棚に入れています
本棚に追加
オウガ「…はぁっ…はぁっ…」
逃げて逃げて、辺りを見回すと…雪原の奥の雪山の麓の絶壁だった。
『グルルルゥゥ…』
ビクッとしてそちらを見ると、やはりフロストドラゴンがいた。
オウガ「よかった…さっきの長命竜じゃない……」
しかし、ホッとしたのもつかの間…フロストドラゴンは一匹だけではなく、5匹も居た。
しかも…長命竜と思われるフロストドラゴンが二匹……
明らかに、僕の方が不利だ。
逃げようにも、逃げ場が無い…
魔力も残り少ない…持てる魔力を全て使っても、長命竜の二匹は生き残るだろう。
そうなると、僕はなす術も無く殺される。じりじりと、僕は絶壁に追い詰められてる。
突然、長命竜の二匹が襲い掛かって来た。
オウガ「うわわっ!!」
焦りながらも、避ける。しかし、それを狙っていたかのように…
オウガ「…ガッ…はぁッ…」
絶壁におもいっきり僕は尻尾でたたき付けられた。
ガラガラと絶壁の岩が僕を目掛けて落ちて来る。
オウガ「…僕はこんな所で死ぬのか……」
落ちて来る岩をぼんやりと眺め、僕は死を覚悟した――
『ガアァアア!!』
響き渡るドラゴンの咆哮。ガラガラと崩れた岩の積み重なる轟音。
次の瞬間、僕の視界は真っ暗になった。
最初のコメントを投稿しよう!