―凍える風、雪原の主フロストドラゴン―

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オウガ「…はぁっ…はぁっ…」 逃げて逃げて、辺りを見回すと…雪原の奥の雪山の麓の絶壁だった。 『グルルルゥゥ…』 ビクッとしてそちらを見ると、やはりフロストドラゴンがいた。 オウガ「よかった…さっきの長命竜じゃない……」 しかし、ホッとしたのもつかの間…フロストドラゴンは一匹だけではなく、5匹も居た。 しかも…長命竜と思われるフロストドラゴンが二匹…… 明らかに、僕の方が不利だ。 逃げようにも、逃げ場が無い… 魔力も残り少ない…持てる魔力を全て使っても、長命竜の二匹は生き残るだろう。 そうなると、僕はなす術も無く殺される。じりじりと、僕は絶壁に追い詰められてる。 突然、長命竜の二匹が襲い掛かって来た。 オウガ「うわわっ!!」 焦りながらも、避ける。しかし、それを狙っていたかのように… オウガ「…ガッ…はぁッ…」 絶壁におもいっきり僕は尻尾でたたき付けられた。 ガラガラと絶壁の岩が僕を目掛けて落ちて来る。 オウガ「…僕はこんな所で死ぬのか……」 落ちて来る岩をぼんやりと眺め、僕は死を覚悟した―― 『ガアァアア!!』 響き渡るドラゴンの咆哮。ガラガラと崩れた岩の積み重なる轟音。 次の瞬間、僕の視界は真っ暗になった。
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