―凍える風、雪原の主フロストドラゴン―

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トライド「あっちって…オウガは何処まで行ったんだ……っ!!」 しばらく飛んで行くと、5匹のフロストドラゴンに絶壁に追い詰められているオウガ(狼)を見付けた。 オウガ「うわわっ!!」 フロストドラゴン達の攻撃を跳んで避けたオウガ。しかし、それを狙っていたかのようにフロストドラゴンは尻尾でオウガを絶壁にたたき付けた… オウガ「…ガッ…はぁッ…」 絶壁の岩がオウガ目掛けて落ちて行く。 俺は急いで急降下する。 トライド「ガアァアア!!」(頼む、間に合ってくれ!!) 響き渡る、俺の咆哮。間一髪、俺はオウガを助ける事が出来た。俺の身体に大小様々な岩が降り注ぐが、強固な鱗のおかげで痛くも痒くもない。 『何故そいつを助ける?!』 一匹のフロストドラゴンが聞いてきた。 トライド「こいつは俺の弟だ。助けるのは当たり前だろ。」 『お前ドラゴンだろ。そいつが弟?ありえない。』 トライド「俺はれっきとしたドラゴンではない。」 『…どういう事だ?』 トライド「元は獣人さ。人間共の研究で俺は……」 『…分かった。言わなくて良い…』 俺の殺気に怯えた長命竜達が話しを遮った。 オウガ「あれ…僕、生きてる……」 今更オウガは気づいたようだ。 俺は人型に戻る。
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