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トライド「…ッ………ガ…」
喉を食いちぎらないのは、フロストドラゴン達への見せしめだろう。
だんだん、身体に力が入らなくなってくる。俺は四肢を力無くぶら下げた。
いやだ。せっかくオウガに会えたのに死にたくない。せっかくオウガと話せたのに死にたくない。せっかく……
――困り事か?
頭の中に声が響く。イーターの声だ。
――俺に身体を貸せよ。勝ってやる。
トライド(嘘だ。そうしてまた乗っ取るつもりだろ?)
――今回はちゃんと返すからよ。宿主に死なれちゃ、困るからな。
トライド(絶対返せよ。)
念のために言ったが、すでに身体が言う事をきかなくなっていた。紅の瞳が妖しい光を帯びる。
場の空気が一瞬にして変わる。
それに怖じけづいた皇帝竜が、俺…というかイーターから離れる。
――殺して良いんだよな?
トライド(良い。だが、俺が交代しろと言ったら交代しろよ。)
確認してきたイーター。俺は直ぐさま答える。
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