―凍える風、雪原の主フロストドラゴン―

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オウガSide 目が覚めたとき、僕は狼で洞窟に居た。 何故、こんな場所に居るのだろうか? 目覚める少し前の記憶が無い… 辺りを見回すと、フロストドラゴンが二匹、洞窟の入口に居た。 襲って来ないから大丈夫だろう。 早く自警団の本拠地に帰らなければ…と思い、立ち上がろうとしたが全身が痛んで立てない。 ああ、そういえば雪山の絶壁にたたき付けられたんだっけ… で…兄さんが助けてくれて…… あれ?兄さんは何処? 辺りを見回しても兄さんは居ない。 ―怖い。 何故かは分からなかったけど、とても怖いと思った。 兄さんが行方不明になった時は感じなかったけど、今はとてつもない恐怖を感じた。 早く、兄さんに会わないといけない気がした。 オウガ「兄さーん!!」 僕の声は遠吠えとなり洞窟の奥まで響き渡る。
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