―凍える風、雪原の主フロストドラゴン―

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オウガ「兄さん!兄さーんっ!!」 何度も叫ぶ。が、返事は無い… もう一度叫ぼうとしたその時、一匹のフロストドラゴンが洞窟の外からやって来た。 気分が悪くなるくらいの血の匂いを引き連れて…よく見ると、そのフロストドラゴンの顔には血がついていた。 オウガ(…兄さんの血の匂い……まさか?!) 嫌な予感がした。居ても立ってもいられなくなり、まだ痛む身体で外に飛び出す。 外から来たフロストドラゴンが僕を捕まえようとしたけど、避けてあっという間に洞窟から離れた。 相変わらずの吹雪だったが、この吹雪は自然のものだろう。 オウガ「最悪。」 寒過ぎて鼻が効かない。 でも、兄さんを探さなきゃ、と探し歩く。 でも、いくら歩いても歩いても兄さんは見つからない。 寒さのせいで、とうとう体力に限界が来た。ポスン、と雪に倒れ込む。 オウガ「兄さ…ん……」
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