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トライドSide
トライド「…ッ…ここは…」
首をもたげて、辺りを見回す。どうやら、洞窟の一角のようだ。
リーダー『おう、起きたか…心配したぞ。』
リーダーがやって来た。
トライド「…あの皇帝竜は?」
リーダー『リュウっていうまだ若い皇帝竜が連れて行った。』
トライド「…そうか。オウガは?」
リーダー『………この洞窟から逃げ出した…』
トライド「な?!」
リーダー『捕まえようとしたんだが…見事に逃げられた…スマン…』
トライド(おかしいな…普通なら逃げるなんて無いのに……)
リーダー『…トライド?』
トライド「あ?…あぁ。なんだ?」
リーダー『今、全ての仲間達で探しているんだが…全く見つからないんだ。』
トライド「仕方ねぇ…俺が…ッ…」
起き上がろうとしたが、胸に鋭い痛みが走り、俺はその場に頽れた。
リーダー『駄目だぞトライド…心臓は免れたが、出血が酷かったんだ…かなり深い傷だったんだ、あまり動くと……』
トライド「関係ねぇ…傷なんて関係ねぇ……さっさとオウガを探し出さないと…オウガだって弱ってるんだ…寒さで死んじまう……」
リーダー『…確かにそうだが……お前まで死んでしまうぞ?!』
トライド「うるせぇ!俺は行くぜ!!」
胸の傷が痛むが俺は狼に変身して、外を目指す。リーダーの止めるような咆哮が響いたが、俺は無視して外に出た。
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