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トライド「オウガ!!オウガーーっ!!!」
力の限り叫ぶ。同じ狼の獣人のオウガには人型だろうが狼(俺)の叫びは聞こえるだろう。
しかし、返事は返って来ない。
一抹の不安を無理矢理振り払い、俺は駆け出す。
イーター(おいトライド!もう止めろよ!!ホントに死んじまう!)
トライド「うるさい…この辺りに居るはずなんだ……」
イーターが話し掛けて来るが、呟くように言い、オウガを探す。
イーター(この辺りって言ったって…宿主に死なれちゃ困るんだよ!止めろ!!)
トライド「邪魔…するな……」
無理矢理主導権を奪おうとするイーター。
俺は奪われないように抵抗する。
とうとうイーターも諦めたのか、おとなしくなった。
トライド「オウガーーーっ!!」
もう一度、叫ぶ。
オウガ「兄……さ…」
弱々しい声でくぐもっているが、オウガの声が聞こえた。
トライド「オウガっ!!」
聞こえた辺りの雪を掘り返すと、白銀の毛の狼…オウガが居た。
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