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「うおーーっ!!」
俊介は怒りのままにクローンに殴りにかかる。
しかし、起きたばかりの身体は思うように動かず、あっさりと避けられ、そのまま壁に激突した。
「くそっ……くそーー!!」
「ちょっと待てっ!! 俺の話を聞けー」
身体が更にボロボロになることをいとわず、何度も何度も殴りかかる俊介。
空と茜のクローンは必死にそれを抑えようとするが、俊介の気迫からか中々動きを封じることが出来ない。
茜のクローンは仕方ないとため息をつくと、俊介の鳩尾(みぞおち)に思いっきりパンチを入れ、俊介が気絶したのを確かめるとロープで壁に縛った。
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―――――
―――
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「どうなってんだよ、これっ!!」
茜のクローンに眠らされてから小1時間
俊介は再び目を覚ますと身体が縛られているのに気がついた。全く身体を動かすことが出来ない。
必死に脱出をはかる俊介。空のクローンはゆっくりと俊介の前に座った。
「今から昨日からおまえが起きるまであったことを知ってる限り、全て話してやる。黙って聞け」
有無を言わせない視線を送る空のクローンに対し、俊介は嫌々ながら頷いた。
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