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4月23日午後6時半
俊介が自分自身のクローンと何処か行ってからも4人の戦いは続いていた。
街中でやっているため辺りには人がちらほらといるが誰も近づこうとしない。
雨が降りしる中、空のクローンは茜と向き合っていた。
2人の顔には雨かどうかも分からない汗が流れていて、茜がパイプ棒を持つのに対し、空のクローンはナイフを持っている。
空のクローンはポケットの中から更にもう一本のナイフを抜き出した。
茜には残り3本とは言ったが実はあと5本残している。
嘘をつくときは一本少なめに言うのが基本かもしれないが、それこそが間違い
普通の人はたとえ嘘と見破っても、こういう時誤差は一本と考える人が多い。
何故か2本も多めに持っていると考える人は至極少ないのだ。
「じゃあ、行くぜ!!」
空のクローンは両手にナイフを持ち、第二ラウンドを開始する。
正直、女を切り付けるのは抵抗がある。
しかし多分、自分のオリジナルがこいつと出会ったのはこの計画が始まってすぐ。自分にはこいつの記憶は偽物の物ですらない。
知り合いに切り掛かるよりかは気分的には楽だ。
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