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「真優っ!!」 茜は突然のことに驚いて、空の手当てをしていた手を止める。 そんな茜を急かすかのように、真優は後ろを指差す。 「話は後っ!! あそこに明美先生の車があるから空を運んで!!」 茜は真優に言われ、後ろを見る。 そこには確かに明美先生の車があった。 ここまで直接来ないのは、クローンと自分達が近づき過ぎているため、前回みたいに割って入れないこと それに近づき過ぎたら、扉を閉めてから車を発進するまでの時間を稼げないと言った理由があるのだろう。 真優の登場には驚いたが、今は空が何よりも危険な状況 茜はこの場を真優に任せて、空に刺さったナイフが抜けないように軽くおさえながら、車へと向かう。 クローンのストッパーは真優一人だ。 真優は2人を逃がすようにクローンと茜達の間に身体を割り込ませる。 空の事は気掛かりだが、今は目の前のことに集中だ。 自分は時間稼ぎをほんの十数秒すればいいだけ…… いくら自分が弱いからと言ってもそれくらいの時間なら何とかなる。 それに自分にはギリギリの所で茜の命を救ったこの足があるんだ。
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